exhibition/event - 2016&2017  過去の展覧会・イベント(2016年)

2016年12月13日(火)〜24日(土)11〜19時・最終日17時まで/ 日曜・月曜休廊
松尾竜平個展(絵画)

オープニングパーティー&ミニライブ:12月13日(火)17-19時

2009年頃、未知の人であった松尾竜平から突然メールがきました。北海道の定山渓に住み独りで絵を描いているという文面が気になって返事をすると、廊下の隅にうずくまる小さな黒猫を描いた絵の画像を送ってきました。いつだったか、札幌郊外の露天風呂で、しんとした晩秋の冷たさに頭だけ出していたら、目の前の湖面が果てしなく思え、滅亡した地球にひとり取り残されたような気がしたことがあります。世界を手繰り寄せるのに自分がいかに無力かと思い知った記憶でもあります。それにひきかえ、松尾竜平の黒猫は冷気の底に自立していて、静かに近づいてくるように思えました。  宅急便と宅配とインターネットだけで世界につながっている、それが10年ほど続いている。その後、京都に現れた際に、ぽつぽつと彼は話してくれ、2014年の個展では、画材や本を運んでくる、たった一本世界とつながっている国道、インターネット上の未知の人々の肖像、アトリエから見える山、雪の木立や小屋などの油絵を展示しました。現在、彼は、札幌市内に住み、歌とギターだけで東京や大阪や京都でのライブ活動も盛んに行ない、つながりや居場所を次々とつくっています。  世の中に表現者が溢れかえる中、松尾竜平のように絵や歌の力をまっすぐに信頼する人の存在は、芸術のリアリティーは何なのかと惑うとき、何よりも大きな支えとなっています。(松尾惠・MATSUO MEGUMI+VOICE GALLERY pfs/w)




2016年11月22日(火)〜12月03日(土)11〜19時・最終日17時まで/ 日曜・月曜休廊
現代美術二等兵「若気の至り〜駄美術は25歳〜」ゲスト作家:木内貴志

オープニングパーティー&トークショー(現代美術二等兵×木内貴志):11月22日(火)17-19時

今年活動25年目を迎える現代美術二等兵の「駄美術展」は、活動20年目の木内貴志氏を迎えて開催します。互いに興味を引かれあってきた中から、気になる過去作を数点ずつセレクトしたコーナーも設けます。活動30年目のヴォイスギャラリーの流れの中においても、現代美術二等兵と木内貴志は、硬くてほどけない結び目のような存在です。ぜひご高覧ください。

現代美術二等兵より;
来年活動25周年を迎える現代美術二等兵。活動期間を年齢で例えれば25歳。
そう、駄美術は25歳です。元々「あんなのが美術ならこれも美術だろ!作家と名乗れば明日から作家だ!」という若気の至りで始めた活動が25年目。
「随分長々と続いたなあ。」と感慨に耽っていたのですが、よく考えたら25歳といえば世間ではまだまだ若輩者。
ましてやベテランの境地や円熟などとは程遠い立場。
今年はプレ25周年ということもあり、今一度初心に帰って「後悔先に立たず」上等、若者らしく後先考えない事優先で駄美術を制作。
今年もやればやるほど美術から離れていく若気の至りを炸裂させます。

木内貴志より;
僕が現代美術二等兵さんの作品を初めて観たのは1997年、京都のギャラリー射手座での個展「モーレツ!!美術教室」でした。どこかで展覧会の案内ポストカードを見つけて、そのタイトルとデザインのノリに「これは僕好みに違いない」と思ったと同時に、「これはやられた(自分がやりたかったようなものを先にやられているという感覚)かもしれない」と思った・・ような気がします。で、実際観に行ってみるとそのノリは思ってたとおりの面白いもので、笑いながら感動したのを覚えています。その時学生だった僕は、芳名帳か何かに「現代美術学徒動員です」と書いた記憶があります。また当時の美術手帖の特集に「マイク・ケリーとLAアートシーン」というのがあって、僕は「二等兵さんこそ日本のそれだ!」と周囲に語ってた気がしますが、あまり認めてもらえなかった気もします。
それから毎年のように展覧会を見させてもらい、また僕の個展等も観ていただいたりして、なんとなく不遇作家(失礼)同士という感じで交流してたら、さすがに少しづつ二等兵さんの面白さも世間に認められ始め、「昔からのファン」としては歓びつつ、「いやもっとちゃんと語られるべき」とか思ったりしながら、何度か展覧会もご一緒させていただいたりしながら現在に至ります。
今回、活動25年目という節目に、ちょうど僕も活動20年目ということでゲスト参加させていただきます。似た者同士のような似て非なるような、活動歴5年パイセンの展覧会に、僕なりに花を添えられれば、と思っています。

 現代美術二等兵「ダルマ集合」

木内貴志「努力賞(努力しましょう。)」1998年/学校机に彫刻、ニス


2016年11月01日(火)〜11月12日(土)11〜19時・最終日17時まで/ 日曜・月曜休廊
中村 敦「詩的アルゴリズム」絵画

数年前、ある科学者の先生の実験室で人工漆の開発をされているのを見せて頂きました。
成分の調合が非常に難しいらしく、ほんの少しのバランスの狂いで乾燥時に表面が縮れてしまう。
気の遠くなるような試行錯誤を繰り返さなければ、到底美しい鏡面のような人工漆に到達する事は出来ません。
実験室のテーブルには、スライドガラスの上にその黒い液体を塗布し、乾燥させたサンプルが無数に並んでいました。
あるものは緩く波打ち、あるものは干しぶどうの表面のようチリチリに収縮し、またあるものはフラットだけど惜しくも表面が曇ってしまっている。
私はこれらの様々な表情を持った「失敗作」に興味を持ち、一体どのようにすればこんな縮みを造る事が出来るのか訊ねました。先生は笑いながら「美術作家というのは、ほんまに変わった事に興味を示すもんやな。」みたいなことをおっしゃって、その大まかな方法を伝授して下さいました。
そして、それからが自分の試行錯誤と実験の始まりです。
物質は様々な特性や条件によってその様相を変えます。遺伝子という特性を備えた生命も同じです。自然界というのはミクロレベルからマクロレベルまで、そういった多種多様な相が混在し有機的に絡まり合い一体となった庭のような場所だと思っています。
私にとって創作活動というのは、カンバスの表面やパソコンのモニターという庭で生成された、様々な「相」を大切にサンプリングし、収集する事なのだと思います。(中村敦)




2016年9月24日(土)〜10月15日(土)11〜19時/ 日曜・月曜休廊
日下部一司「景色を眺める look at the view 」

 目にはいろいろなものが見えている。でもそのすべてを一度に確認することなんてできない。いつも部分を見ていて、それらを都合良くつなぎ合わせて目に映る広い範囲を理解しているのだ。
 カメラのファインダーはそういう景色を恣意的に切り取り確認する窓だ。だからシャッターなんか押さなくても、カメラをのぞきながら周りを見れば、自分が何を見ようとしているのかがわかってくる。いや、わかってくるかのように感じられる。ファインダーの四角いかたちは、世界を単純化し整理し解釈することができる仕掛けなのである。
 撮影のためにどこかに出かけたわけでもなく、変哲もない日常をこれまでにたくさん撮った。積極的に発表をすることもなかった。それは、デジタルカメラで撮った映像をどう扱っていいのか、良い方法が見当たらなかったためである。デジタルの写真はWebで、あるいは印刷物になることによってかろうじて成り立つのではないかとも思っている。いわば消耗される画像として存在しているのではなかろうか。
 そうは思いながらも、デジタル画像と支持体の持つ良い関係を見つけることを諦めたわけではない。ここで言う良い関係とは、写真の物理的な実在感である。写真が映像として存在する触覚的な物質感と言っても良い。そういうものを見つけるための実験が今回の展覧会でもある。(日下部一司)

   



2016年8月27日(土)〜9月10日(土)11〜19時/ 9月4日(日)・5日(月)のみ休廊
世界考古学会議第8回京都大会WAC-8学術プログラム&参加展および関連展
" 剥離と忘却と With detachment and oblivion "  softpad / 横谷奈歩

■世界考古学会議第8回京都大会WAC-8サテライト会場として:8月29日(月)〜9月2日(金)11〜19時
  主 催:特定非営利活動法人WAC Japan、世界考古学会議第8回京都大会実行委員会
      ヴォイスギャラリー(MATSUO MEGUMI +VOICE GALLERY pfs/w)
  共 催:日本学術会議
  助 成:京都府文化力チャレンジ補助事業 ※softpadの展示にたいして
■WAC-8前後の期間:8月27日(土)・28日(日)、9月3日(金)〜10日(土)11〜19時/ 9月4日(日)・5日(月)休廊
  主 催:ヴォイスギャラリー(MATSUO MEGUMI +VOICE GALLERY pfs/w)
  助 成:京都府文化力チャレンジ補助事業 ※softpadの展示にたいして
  ※9月10日(土)最終日12:00より、横谷奈歩によるギャラリートーク。


横谷奈歩「剥離された場所」(写真)/2016年/参考画像


softpad " Nouvelle Vague " インスタレーション/2016年版/参考画像


2016年07月19日(火)〜30日(土)11〜19時 (最終日17時まで)/7月24日(日)・25日(月)休廊
企画グループ展 "a3 project / season 2016"
絵画・写真・ミクストメディア・金属工芸

オンラインショップVOICE GALLERY a3 &常設展示のメンバーa3 projectによる展覧会。
2016年6月〜2017年6月のseason2016 には、関西だけでなく、各地から、22作家と1グループが参加しています。本展では、それぞれ、常設作品よりも大きな作品を展示いたしますので、各作家をより知っていただく良い機会かと思います。ご高覧いただけましたら幸いです。
ヴォイスギャラリーは7月に開廊30年を迎えます。作品制作や発表において、個々に異なる条件や環境で制作している本展作家たちは、「芸術によって/芸術とともに生き延びる」という当ギャラリーの方針を象徴するような存在です。作家から与えられたさまざまな課題や喜びは30年間の宝ですが、何よりも、作家と当ギャラリーを支えてくださいました皆様方には、あらためまして、心より厚く感謝申し上げます。美術について、芸術と社会や人類との関係について、いまだ答えに辿り着けませんが、もうしばらくは<世界>と格闘したいと思っています。これからも、どうぞよろしくお願い申し上げます。(MATSUO MEGUMI+VOICE GALLERY pfs/w 代表 松尾惠)


進佳那子 SHIN,Kanako(studio AMP)
" 我々はセンチメンタル。We are sentimental. "
2016年/260×500mm/木製パネルに綿布、ジェッソ、アクリル絵具

出展者(abc順)
AMPあらためJackalope studio(fujise daiki藤瀬大喜/shin kanako進佳那子/yakabe seiko矢ケ部セイコ)
asano ayaka 浅野綾花
ashitaka hiromi 足高寛美
azuma manami 東 愛実
fukunaga akiko 福永晶子
ito chihiro 伊東ちひろ
kashiwagi etsuko 柏木悦子
kita minoru キタミノル
kobata kimiko 小畑公未子
kondo chiaki 近藤千晶
matsuo ryuhei 松尾竜平
minato mari 湊 茉利
nakamichi yukiko 中道由貴子
nakamura atsushi 中村 敦
nishimura hayato 西村勇人
ogawa shun-ichi 小川しゅん一
ohtomo kazuyo 大友一世
sakamoto yuko 坂本優子
seno yumeko 妹尾夢子
shintaku tomoni 新宅睦仁
sugo nozomu 須郷 希
tateyama ayana タテヤマアヤナ
yokoi yuko 横井裕子


2016年06月11日(土)〜07月02日(土)11〜19時 (最終日17時まで)/ 日曜・月曜休廊
松本和子展「愛好家の面影」(フレスコ画)

※会期中の毎週土曜日13〜18時、ブオンフレスコの公開制作を行います。見学の予約は不要です。どうぞご来場ください。

 松本和子が絵画表現に用いるフレスコとは、イタリア語で<新鮮な>を意味する古典技法です。その中でも真のフレスコと呼ばれるブオンフレスコは、シンプルな材料(石灰、砂、水)で練った漆喰を左官の要領で平に塗り、その漆喰が新鮮な状態、つまり硬化していない生乾きの間に、水溶きの顔料で描画します。漆喰が乾燥する過程で、石灰の化学変化により顔料は内部にとりこまれ、表面にガラス質の皮膜が形成されて画面が強く保護されるようになります。
 また、ブオンフレスコと共にしばしば用いるストラッポとは、<剥がす>という意味の壁画の修復技法です。ストラッポは、フレスコの彩色層のみを膠の吸着力によって漆喰壁から剥がし、麻布等のうす布に貼り付けます。これにより、漆喰壁と共にあることでしか成立しなかった絵画空間を、元の壁から剥がし、新たな形で再編成することに繋がります。
 松本は、これらの古典技法を用いて、プライベートな場所やものをモチーフとして描き、身体や記憶、空間の表現について今日的な可能性を探ろうとしています。

「愛好家の面影」(部分)2016 / 漆喰壁に顔料、ブオンフレスコ技法

2016年05月20日(金)〜06月02日(木)11〜19時 (最終日17時まで)/ 休廊日=5月22日(日)・23日(月)・29日(日)・30日(月)
近藤千晶展「暗闇の手探り Groping in the dark」(絵画)

 マチスと言えども制作は暗闇を手探りするように進み、幾つもの試行錯誤が重ねられたと書かれた評論を読んだ記憶がある。それからだろうか、暗闇の手探り、そのイメージは繰り返し頭の中に現れる。
 私にとってこの手探りの感覚こそが、常にもどかしさと不思議さを伴った絵を描くことそのもので、ある時答えを垣間見たように思っても、すぐに見失い、闇の中立ち尽くすことになる。立っていればまだしも、地を離れ、体を預ける壁もなく、空(くう)を掻き、上下左右も分からぬ空間に放りだされているように感じることさえある。
 けれども、その頼りなさに向き合って手探りする以外、次元を超え自由で自立したヒエラルキーのない絵画空間に近付く方法は見つけられないように思え、地面に足を着け壁に手を突くことを拒み続けている。(近藤千晶)


「光の穴2 Hole of the light 2」(部分)2015 / 162.0×162.0cm / 綿布にアクリル絵具


2016年05月03日(火・祝)〜05月15日(日)11〜19時 / 8日(日)・9日(月)休み / 最終日15日(日)11〜17時
以下の2展を同時開催西村勇人は、5月14日(土)・15日(日)写真集飲み会に出展しました。

展示室A=大友一世個展「対岸の火事」(油彩)
展示室B=西村勇人個展 " Thinkings "(写真)


大友一世個展「対岸の火事」
光源色に取り囲まれる生活はあらゆる事象が明確で、現実と向こう側との距離が
とれず、のみ込まれそうになる。
描く行為は鮮明さを追い求める流れに逆らうかもしれないが、光にさらされず
じわりと滲み出し、次第に広がっていく感覚を現実に置き換える。
実際に見ている世界にはくすんだ部分もあり、燻りながら微妙に変化している。
こちら側とあちら側の境に面していることを日々意識していたい。(大友一世)

[どこをみても山ばかり/Everywhere, only a mountain]2015 / 225mm×300mm×30mm /パネルに油彩

西村勇人個展 " Thinkings "
自然科学の研究現場を訪れ、研究者たちの思考の痕跡に着目して撮影を進めている。
大型装置や試薬などの事物で満たされた研究現場は、専門外の人間には意味不明なものばかりであるが、研究者の仮説、実験、考察といった科学の営みの上ではことごとく意味を持っている。
このシリーズでは、特定の領域に属する人間と彼らを取り巻く場の関係を現出させることを試みる。(西村勇人)


" Nuclear physics 2, RIBF " 2014年 / デジタルピグメントプリント / 900mm×600mm




2016年04月09日(土)〜04月30日(土)11〜19時 / 日曜・月曜休み
唐仁原希個展「お家に帰りたい I want to go home 」(絵画)
※オ ープニングパーティー:4月9日(土) 17〜19:00

登場人物は、何かをじっと見つめるような大きな眼を持っています。昔とも現在ともつかない空間に、少年少女、半人半獣や人魚が配される油彩の数々。古典技法を用い、ときに、作品の中に自作を潜ませることによって、鏡の迷宮へと入り込むように架空の物語を次々と開いてきました。
未発表の新作および、最近作を展示いたします。
京都市芸術新人賞(2015年)、滋賀県次世代文化奨励賞(2014年)をはじめ、本年3月「損保ジャパン日本興亜美術賞展」において優秀賞を受賞し、今後ますますの活躍が期待されています。(ヴォイスギャラリー)

「キミを忘れない」キャンバスに油彩/162.0×130.0cm/2016年



2016年03月12日(土)〜04月01日(金)11〜19時、最終日17時まで / 日曜・月曜休み
上野友幸個展 " On the Ashes "(ミクストメディア)
自己と他者、物と物の区別や境界は知識によって成り立っているのであって、それらの関係を中心とするならば、単純にそれらは切り離せない。生と死に関しても、昔は心肺停止が死を意味していたが、現在はそう簡単には判断されない。更にいえば、あらゆる生命はその死によってこそ環境が維持され、それらの種は半永久的に存続できる。個人の意思も集団の意思となり得るし、自分の認識の枠組みでさえ後天的に生まれ育った環境によって形成されているとすれば、自己の存在でさえ曖昧になってこないだろうか。 蝶の羽根にある花びらの様な模様を切り取って作った花。その花を昔の写真の花の上に貼り付ける。蝶もその写真の上に針で止める。その写真に写された昔の人々の様子。生活の中にある花。蝶は花によって生かされ、花もまた蝶の活動によってその生命を繋いでいく。人類もその昔から何故か花を必要としてきた、嬉しい時も悲しい時も。 人は死ぬときに悟るのかもしれない、自分も灰になることを、自然に還っていくことを。そうやって、生命が受け継がれてきたことを。知識ではなく、実感として。(上野友幸)
「第2回京都版画トリエンナーレ」3月6日(日)〜4月1日(金)に出展。


"A girl knows Special day" 484×.396 mm /2016年/写真、標本

1982年 神戸生まれ / 2008年よりドイツと日本で活動
2006年 成安造形芸術大学 ハイパーメディアクラス 卒業
2008年 東京芸術大学大学院 美術研究科 先端芸術表現専攻 修士課程修了
2008年 シュトゥットガルト国立造形芸術大学 彫刻クラスに研究生として一年間在籍
2012年 ベルリン芸術大学 アートアンドメディアクラス マイスター課程修了
作家HP


2016年02月20日(土)〜03月05日(土)11〜19時、最終日17時まで / 日曜・月曜休み
香川裕樹個展「新しい生活」(ミクストメディア)

1988年香川県生まれ、京都造形芸術大学卒業。

ビデオの中からある瞬間を抜き出す。
それがよくわからない、とても気になる、既にどこかで見たことがあるようなものだと自覚している自分に気づくこと。
現実から切り離されたものの存在は空想や架空とは異なる、現実に一番近いところに置かれている気がする。(香川裕樹)

安河内宏法氏(京都工芸繊維大学美術工芸資料館)によるテキストはこちらです。
香川裕樹は、「未来の途中のリズム 美術・工芸・デザインの新鋭10人展」(於;京都工芸繊維大学美術工芸資料館)に出展。

(参考画像)


2016年01月23日(土)〜02月13日(土)11〜19時、最終日17時まで / 日曜・月曜休み
" ピュアロマン pure-roman "(絵画、ミクストメディア)
九鬼みずほ(KUKI Mizuho / '89年生まれ)・須郷希(SUGO Nozomu / '87年生まれ)、渡辺千明(WATANABE Chiaki / '85年生まれ)による企画展。
「ピュアロマンとは、自分の感覚を大切に、美術に対して素直でありたいという我々の態度です」 。

本展は、3人の作家たち:九鬼みずほ・須郷希・渡辺千明による企画です。今、表現者は、社会とのさまざまな折り合いを求められ、消費や効果・効率といった期待の中で翻弄されています。本展の作家たちは、太古の創造物と人々の暮らしにも想像を馳せながら、人間の普遍的な創造の欲求を探り、それぞれに美術の「美術としてのリアリティとは何なのか?」と、懸命に問いかけます。
社会のさまざまな側面が求める<美術のあるべき形>とは、個々の表現に過剰に立ち入り、端正に成形することに他ならないのかもしれません。本展は、夏に開業30年を迎える当ギャラリーにとって、この時代やこれから先、種々の求めの何に応じていけるのか、3人の作家から提示された大きな課題です。(MATSUO MEGUMI+VOICE GALLERY pfs/w)

        
須郷 希「逆光の女神」A goddess in backlight   九鬼みずほ「記念碑」A monument
/キャンバスに油彩 / 41×31.8cm / 2015年     / 粘土、樹脂、アクリル絵具、ドライフラワー / 2015年


渡辺千明「犬のちぎり絵」A Chigiri-e dog / キャンバスに油彩 / 32×41.5cm / 2015年