FEBRUARY,2003

 
11 Feburuary, 2003

 昨年来の大学でのオシゴト(非常勤講師)が一段落しました。

 本当は、講議をつうじてアートマネジャー志望の人々を励ますつもりでしたが、

 こちらが、人生を折り返した中でどういう仕事を残せるかという大テーマをかかえているものだから、

 学生に向かうと、つい「上り坂の終点まであとたったの17〜8年でっせ」とおどしてしまいます。

 長寿があたりまえで膨大な文化が蓄積された日本では、「人生は長い。40才からだ。」と言われるけれど、

 それを真に受けるかどうかは、道によって違うものです。

 たぶん、芸術家や研究者にとって人生が長いのは励ましであるけれども、

 芸術をめぐるそれ以外の職業のほうが少ないのだから、その倍ぐらいの速度で<芸術>に並走しなければならない。

 少なくとも、あいまいな「長寿」を信じてのんびりとやってきてしまった私にとって、

 今頃になって、人生というか、現役時代というものは、芸術家の半分だと思う次第です。

 しかし、そういう焦りや気負いというのも、

 頑張っているつもりなのにそうそううまくいかなかったり、

 徹夜なんてもうムリだよ〜時差ボケがなおらないよ〜とぼやくようになってからのものなわけで、

 徹夜だろうが二日酔いだろうが、お肌がツルピカの時代には、

 きっと未来の20年間というのは「永遠」に等しく、自分を追いつめる理由にはならないのでしょう。

 運悪く私の講議を聴いてしまった人々も、

 実際には、意地悪を言ったと思っている私などよりもはるかに強靱で、

 17〜8年もあるならと、さっそうと卒業していくのかもしれません。

 そして、4月になればまた新しい学生と出会うのが楽しみでもありますが、

 年々、確実に1才ずつ年齢が開いていくので、

 話がちょっとずつ彼らの現実から遠ざかるかもしれないと思うと、それが不安。

 それに、何よりも、何があってもツルツルの、彼らのほっぺのハリが腹立たしい。




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